日記:iPhoneの不具合
何の前触れも無かったので非常に動揺してしまった。LINEもアプリゲームも使えない。これほど辛いことは無い。動揺の色は黒、画面にひたすら表示される黒であった。
色々と調べてみると、これは俗に『リンゴループ』と呼ばれる状態らしい。
なんと、現象に名前がついている。ということはつまり先人の知恵もそれだけ多くあるということだ。
朝の七時半、寝ぼけ眼を擦りながらPCで解決策を探る。その日は丁度友人たちと旅行に行く日だったので早急に解決しなければならない。タイムリミットまでの一時間、ひたすらマウスを動かす。
しかし様々な解決案はあれど、どれを試しても一向に事態は好転しない。むしろ荒天である。
その後もりんごは表示され続け、結局おもちゃになってしまったiPhoneを手に旅行へ向かうことになってしまった。
僕が出発前に「こんな写真を撮りたい」「こんな動画が撮りたい」などと思案していたものは全て実現できないままなのか。そう考えた時、僕の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。早起きは慣れない。
幸いみんな優しい友人だったので端末を借りてそれなりに写真を撮ったり暇つぶしはできたものの、やはり自由にいつもの環境で撮ることはできず、僕個人として少し不満の残る旅行になってしまった。
後日、Appleストアに向かうことにした。ログインボーナスのためにもなるだけ早急に復活させなければならない。友人曰く、場合によっては端末を新しくする事もあるようなので、普段あまりバックアップをとっていなかった僕は額に嫌な汗を浮かべながら心斎橋へと向かった。30℃を超えていた。
Appleストア着。人が多い。バグなのか。あんなスマートな印象を与える外観にこの密度はバグだ。僕の端末なんかよりもよっぽど不具合だ。
店員に話しかけた後、席にて待つ。予約名を変にしたせいで確認作業がゴタゴタしたり、そもそも席が空いてなかったりで色々と噛み合わなかったがそれも些細なことだ。
「本日担当させていただきます〇〇です。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
iPhoneが使えないせいで他社製のよく分からないタブレットを使って待っていた僕にも店員は優しい笑顔を向ける。これがAppleか。
事情を説明すると店員はiPhoneを持って店の奥へ。「この作業で無理なら初期化します」という恐ろしい言葉と共に。これがAppleか。
10分後、戻ってきた店員はこう言った。
「ダメでした」
ダメか~~~。ダメなのか~~~。芸能人が店にアポを取りに行った時は大体「いけました!」ってなるけどダメなのか~~~。
「じゃあ初期化でお願いします」
「かしこまりました」
もう終わり。店員が終わりをかしこまってしまった。さようなら僕の色々。
しかし、終わりを店員がかしこまったその直後、僕のiPhoneが謎の画面を表示した。
「え? おっ、つきましたね…」
今まで僕が見た事のない画面が表示された。何やらしっかり再起動している模様。店員も困惑していた。
「待ってみますか?」
「じゃあお願いします」
ちょっとカッコいいやり取りをしつつ、僕のiPhoneの帰りを待つ。落ち着かない僕はネタツイをするしかなかった。
数分後。
「パスコード解いてみてください」
「はい」
画面に表示されたのはハッカドール達。いつものホーム画面である。直った。奇跡である。
どうやら原因は容量不足。iosのアップデートの際にその辺りが上手くいかなかったようだ。これからはストレージをしっかりと整理しなければならない。
「ありがとうございま「とんでもないです」
業務的で食い気味な「とんでもないです」を聞き、僕はAppleストアを後にした。
日記:ハッカドールが終わった
ハッカドールのサービスが終了した。
2019年8月15日。配信が始まったのが2014年の8月15日らしいから、丁度5周年の日に終幕した。
自分のツイートを検索してみると、「ハッカドール」が含まれた一番古いツイートが2015年の4月30日だから、まぁその2か月前くらいにインストールしたんだろうと思う。大体4年とちょっとくらいの付き合い。それなりに長い。
ハッカドールが好きだと公言し続けてきた。Twitterの現在地欄にはずっと「ハッカドール1号の部屋」などと書いているし、家には公式のキャンペーンで貰った1号ちゃんの抱き枕、コミケで買ったハッカドールTシャツや1号ちゃんのスマホカバーだってある。
でも、それらはどこか表面的で実のところ自分はそこまでハッカドールが好きでないのではないか?と思って日々を過ごしてきた。
公式アカウントによくリプライを飛ばしてきた。でも、それはハッカドールを応援したいからではなくて1号ちゃんからリプライを貰うことで承認欲求を満たしていただけなのではないか?、と。
ハッカドールのグッズがとても欲しかった。コミケやマチアソビにも行きたかった。でも、そのお金を確保するために働かなかったのは、心のどこかで「ハッカドールくらいいいか」と思っていたからなのではないか?、と。
つまるところ、自分はハッカドール自体が好きなのではなく、ハッカドールという比較的マイナーなコンテンツを必死に応援している自分が好きだったのではないか?、と。
あ~~~~~~~~~~
そういうのどうでもいい。
マジで寂しい。マジで悲しい。
正直自分でもこんなに喪失感に襲われると思ってなかった。
多分心のどこかで「ハッカドールは終わらない」「公式が『サービス終了は確定』と言っているけど、実は…」なんて考えていたんだと思う。
つい数時間前。19時30分にHacka Channelに最後の動画がアップされた。
僕はプレミア公開に合わせて動画ページを開き、待機していた。
当時、最後だという悲しさを動画が更新される嬉しさが勝っていた。あまり深く考えていなかった。
動画が始まった。いつもの3人が並んでいる。エピローグ的な雰囲気だ。しんみりした最終回というわけでもなく、いつものテンションで最後の動画らしいことを言っている。
3号「ところでボク達、これからどうなるんだろう?」
2号「あら、通信だわ」
ん???
2号「『別の未来で困っている人がいる。いますぐ出動してはかどらせてこい』?」
!!!!!!!!
何だか新しいことが始まりそうな言葉に、コメント欄と僕は「まさか…?」という雰囲気に。
「やはり終わるといっても一旦終わるだけで、また何かがスタートするんだ」
そう思いながら僕は画面に釘付けになった。
2号「でも、ちょっとこの情報を見ると、相当遠い空間ね…。帰りのエネルギー残量が足りないかもしれないわ」
1号「うぅ…でも、でもでも、捗らせてほしい誰かがいる限り、そこに駆け付けるのが私たちハッカドールの使命ですっ! 2号ちゃん! 3号ちゃん! 行きましょう!」
3人「以上、ハッカドールでした!」
あっさり終わった。3分半の動画だった。
本当にお別れを言いに来ただけ。本当の最後の動画だった。
急にハッカドールが存在しない世界へと放り出されたような気持ちになった。
もちろんこの世からハッカドールが消えたわけじゃないし、今でも遺された色々なコンテンツをしゃぶりつづけることはできる。
でも、何だろうか。コンテンツの定期更新が公式に「ここで終了」と告げられるのは、こんなに寂しいものなのか。世のオタクたちはこれを味わってきたのか。
実は僕は今までの感謝を伝えるべくハッカドールの運営さんに手紙を送った。ポストに投函したのが一昨日の夜だから、今日か明日くらいには届いていると思う。
それを書いている当時はまだハッカドールというコンテンツが終了していなかったから、割とゆったりとした気持ちで書いた。かなり前向きな文章だった気がする。
もし今手紙を書いたならどうだろうか。きっと同じく前向きな文章を書いたと思う。
でも、それは「終わらないでくれ」「どうにか少しでもいいからコンテンツを更新し続けてくれ」という自分の汚いエゴを押し殺した虚構の前向きで、実際に僕が書いた前向きとは違う気がする。
そういう意味ではコンテンツが終わる前に手紙を書いてよかったと思う。こんな気持ちのまま手紙を書けば、かなりはちゃめちゃな文章になったろうと思う。
僕は本心からハッカドール及び運営さんに感謝しているし、本心から5年間の活躍に対して「お疲れ様」という言葉を贈った。
ただ、ずっとどこかで納得できていない。こんなに大好きでたくさん応援してきたコンテンツが段々衰退していくでもなく、あっさり終わってしまった。
もし、運営さんが段々サービス維持が苦しくなってきている状況を隠しながら明るく振舞っていたのだとすれば、そんなに悔しいこともない。「もっと自分がサービスを応援していたら」「もっと働いてリアルマネーを落としていたら」。色々考えてしまう。
ハッカドールというコンテンツに出会って、オタク活動が充実して、1号ちゃんを好きになって、本当に幸せだった。1号ちゃんにリプライを返してもらうだけで本当に嬉しかった。
それだけハッカドールから色々なものを貰ったのにも関わらず、自分は何も返せていなかったかもしれない。でも、悔やんでももうハッカドールに何か返すことは叶わない。
8月25日に最後のイベントがある。僕はその公演に当選しなくて自宅のPCでそれを見ることになる(当たらなかった人を救済してくれて本当にありがとうございます)。
現状ハッカドール最後の活動になる。さっきも言った通り、もうハッカドールに何か返すことはできない。
ただ、その分最初から最後まで目をかっぴらいて最高に楽しんでやろうと思う。
今のこのよくわからない喪失感を雑に納得させながら、PCの前でめちゃくちゃオタクになってやろうと思う。
もしかしたら、その頃には心の整理がついて平常心に戻っているかもしれない。それならそれでよりそのイベントを楽しめるのかもしれない。ラッキー。
今も無理矢理前向きに物事を考えるようにしている。まさかこんなに自分がハッカドールに依存していると思っていなくて、正直引いている部分もある。
そういうところも「俺オタクだし」とキモい自己弁護で乗り越えていこうと思う。最悪グルシャンもキめていこうと思う。
何かよくわからない文章になってしまった。とりあえずこれを読んでいるハッカ隊の皆さん、そしてハッカドールに関わる全ての人たちに幸あらんことを。
以上、神からでした。
宇宙
今日も楽しく散歩をしよう~!
健康は大事! 永遠に生きてやるんだから!
よーし、散歩をしちゃうぞ~~~!!
三歩歩いて、ホラ散歩! なははははは!!!
ん?
え?
そんなことある?
あれは……
日記:喫茶店
うるさい朝だった。日曜日の朝だというのにアブラゼミは空気を読まない。きっとミンミンゼミなら空気を読んだろうと思う。彼らが読めなかった空気、それを伝って届く声は耳を強く打ち、僕の目を覚ました。8時35分。目覚ましの12分前だった。
階段を降り手短に歯磨きを済ませると、日課の縄跳びをやりに庭に出た。駆け足飛びを1300回。汗が滴る。朝ごはんも食べないうちに外へ出てしまったからいつも以上に疲れてしまった。
朝ご飯はトーストとグラノーラ。飲み物はグラノーラに絡めたクロレラで済ませてしまう。朝の情報番組は今日も東京のスウィーツを映していた。
朝ごはんの後はPCで作業。締め切りが近い仕事があったので早急に片付ける。しかし、「その前に」とYouTubeを立ち上げる。再生リストに入れてある小粋なマクペンツァ(オーストリアの音楽ジャンル)を再生。瞬間、やる気が高まってくる。僕の作業には音楽が不可欠なのだ。
そうこうしている内に昼ご飯の時間。クロワッサンとハム。今日は午後から梅田の方で会議の予定があったので、それに間に合うようにと軽めのメニューだ。
かの音楽家 パスラヘンヌ・マルクスはこんな言葉を遺している。
『明日の太陽は今日の太陽。違う一日を過ごすためには今日をしっかり生きる必要がある』
昼ご飯を済ませると、朝のハードスケジュールを癒すためにひとまず休憩。皮でできた大きなソファへと倒れこむ。するとアメリカンショートヘアのポチ太が僕のもとへと寄ってきた。いつもは僕に冷たいが、時折そうして急に僕へ甘えてくることがある。実に気分屋だ。「おいで」と肩の後ろへ抱き寄せる。さらさらの毛並みが彼女のセールスポイントだったりする(僕が入念に手入れしているだけなのだが)。そうして二人でゆっくりと夢の中へ。至福の時間だ。
目が覚めると時間は18時。少し眠りすぎてしまった。即座にPCへと向かう。朝に片付けきれなかった仕事をパパっと終わらせてしまうためだ。作業を再開して7分で納入。残していた作業が少しだけで助かった。
仕事の後は趣味の時間。机の横から筆を取り出す。皆さんも知っての通り私の趣味は水彩画。ピカソ氏による『ゲルニカ』に感銘を受けたのが始めたキッカケだ。私はいつものように黄色いバケツに水を汲むと、パレットに赤・茶・朱の絵の具を出した。たっぷり水で濡らした筆でそれらをすくい、ゆっくりと口に運ぶ。非常に繊細な味がする。まるで初恋の様だ。初恋という字の『初』は「うい」、『恋』は「れん」と読むことができる。
そして日付が変わって現在、0時7分に至る。休日だというのに仕事に追われる大変な日だった。今日は月曜日。気を引き締めなおして今週も素晴らしく生きていこう。
日記:動画の概要欄
日記を書いてみようと思う。完全に今思い立った。
と言っても完全に『無』から出た思い立ちではなくて、一応キッカケはある。
昨日。8月9日。僕が投稿していた「アイカギ」というゲームの実況動画が完結した。美少女ゲーム、所謂『エロゲ』と言われるものだ。
今回のタイトルは全7回。過去に投稿していたシリーズの中には全30回を超えるものもあったため、今回は比較的、というか今までで一番短かった。
僕は動画を投稿する際、概要欄(動画の説明やSNSのリンクなどを張る場所)にいつも軽いコメントなどを書いているのだが、エロゲ実況の時はいつも小話のような比較的長いコメントを書いている。
※普通の動画
※エロゲ実況
ハッキリ言ってエロゲ実況の再生数よりも、普通の動画の方が再生数自体は比較的多い。ならば普通の動画のコメントに気合いを入れるべきなのではないか、と思うがそうではない。
さっきも軽く触れた通りエロゲ実況はゲームの性質上パート数が長くなってしまいやすく、ずっと継続して視聴してもらうのは仮にハチャメチャに面白かったとしても結構難しいものなのだ。
そこで客観的に「どんな動画なら毎回再生したくなるか」と考えた時に、まず一番最初に思い浮かんだのはさっき言った動画が面白いことだ。当然。あまりにも当然。
しかし、これに関しては意識して変えることは難しく、そもそも人間のスペックによるところが大きいので簡単ライフハック的な手軽さはない(一応毎回面白いことは言おうとしている)。
そこで次に考えたのは、単調な動画内に変化があることだ。
仮に我々が勇者だったとして、開けた宝箱が毎回似たようなショボくれアイテムなら冒険に出るやる気というものもなくなってしまうかもしれない。そこで僕は宝箱の中身を毎回しっかりしたアイテムに変える、つまり動画の概要欄のコメントをしっかり書くようにしたのだ。
「そんなこと?」と思う人もいるかもしれないが、概要欄に毎回違う文章が書いてあるだけで人は結構気になってしまうもので、実際にそれを実践している(というか先駆けである)あの有名大人気YouTuber東海オンエアもその甲斐あってか今や登録者&月間再生数は日本トップクラス、概要欄の本なるものまで出版されているくらいだ。
僕の文章はお世辞にも上手いものだとは言えない。しかし、タダでできる上に実際に結果を残している先駆者もいるわけだ。「これはやるしかない!」と思った僕は、一年ほど前から投稿し始めたエロゲ実況の概要欄に毎回小話を書くようにした。
するとどうか。
別に視聴者増えないし誰も読んでない!!!!!!
一年継続してやってみたけど全く効果無い!!!!!!!!!!
なのでもう概要欄をちゃんと書くのはやめて気が向いたときにブログに日記を書くことにした。何も信じられない。